バイツァ・ダスト

筋トレ、運動、食事、サプリメント

コーチング・クリニックのすすめ (2020年1月号)前編

ども、ビックリマンチョコを80個衝動買いしてレジの店員さんを困らせたやーくんです。(後ろに並んでた人、店員さんごめんなさい)

 

今回は自分が読んでいる『コーチング・クリニック』という月刊誌を軽く紹介します。自分が読んだ中でも特に面白いっと思った記事2つを紹介しますね。この雑誌は国家資格を持っている自分から見ても、とても勉強になります。特にスポーツの現場などで活躍してる人などは一度読んでみてください!

 

 

コーチング・クリニック

最新「骨格筋」研究

【1⃣骨格筋の役割と効率的なトレーニングを考える】

小笠原 理紀 名古屋工業大学生命・応用化学専攻准教授

●mTORをを刺激し筋タンパク合成を促す

▢骨格筋について

 骨格筋はが重要で力発揮とエネルギー代謝は別物である。そして瞬発系運動(力発揮)と持久系運動(エネルギー代謝)で行うべきトレーニングは別物になる。

 骨格筋を強くしたり、大きくしたりするにはトレーニングは避けて通れないものである。トレーニングを行うと骨格筋細胞内でmTORという酵素が活性化する。骨格筋内でタンパク質の合成を促進するにはmTOR(エムトール)という酵素の活性化が必要不可欠である(mTOR活性化が筋肥大の主要メカニズム)。骨格筋肥大での最優先事項は、筋トレを行うことによって、筋タンパク質分解よりも合成を高めることだ。

※活性化・・・特定の機能が活発になること。反応性が高まること。

 筋力(骨格筋の質)を効率的に高めていくためには、最大筋力に近い高強度の負荷でトレーニングを行う必要がある。筋肥大(骨格筋の量)に関しては、最大筋力の30%の低負荷でのトレーニングでも、オールアウトまで追い込めば筋肥大することがわかっている。

 なぜ、筋力は高強度で行う必要があるのか?それは高強度と低強度で合成されるたんぱく質が違うからである。タンパク質にはミトコンドリアのタンパク質、酵素としてのタンパク質、筋肉の動作に関係する収縮タンパク質(ミオシン、アクチン)など色々な種類がある。この中でも筋力にに関係するのが収縮タンパク質で、そのたんぱく質の合成をより高めるのが高強度のトレーニングである。低強度のトレーニングでもタンパク質の合成が高まるが、このとき積極的に合成されるのが代謝ミトコンドリアに関するタンパク質だ。

 フィジーク・ビキニ・ボディビルなどの体の美しさや筋肉の大きさを競うボディメイク・ポージングが中心の選手たちは高強度のトレーニングは必ずしも必要ではない。しかし筋力を必要とするスポーツでは高強度のトレーニングは必須となってくる。高強度のトレーニングはケガのリスクも高い。そのためむやみやたらに高強度のトレーニングを行うのではなく、低強度のトレーニングを適度にまぜながら行うことが重要だ。また、体の軸が保てなくなり動作に不利に働くため、末梢の筋肉が肥大しすぎないよう注意する必要がある。

 

▢トレーニングの頻度と個人差について

 『ノンレスポンダー』という言葉をご存じだろうか?これは、トレーニング成果が出にくい人を指す言葉だ。因みに明確な理由は未だわかっていない。ノンレスポンダーに限らずトレーニングの成果は個人差が大きい。同じ強度でも週3回できる人もいれば、週1回しかできない人もいる。同じトレーニングをしていても筋肥大や筋力にも差が出てくる。これは、人によってタンパク質の合成スピードや疲労回復のはやさに個人差があるからだ。現在のスポーツ現場(特に部活動)ではチーム全体でトレーニングを行うことが多い。しかし、トレーニング頻度と強度は個人差が大きく影響する。そのため、選手一人ひとりにあったトレーニングを行うことが指導者に求められる。指導者は選手の生活環境、食事などの環境要因と体格、運動歴、遺伝子などを考慮してトレーニングメニューを組む必要がある。

 シーズンで考えるとオンシーズン中は高強度のトレーニングを、オフシーズン中は低強度のトレーニングが推奨される。高強度トレーニングはケガのリスクが高くなり疲労回復にも時間がかかるので、試合と試合の間に行うにはあまり向いていない。逆に低強度のトレーニングはケガのリスクも低く筋肉痛も生じにくいので、試合と試合の間や疲労を翌日に残したくないときなどにオススメだ。一番ダメなのはオフシーズンに集中してトレーニングして、オンシーズンはまったくトレーニングをしないことだ。脱トレーニング期間を生むと、確実に筋力と筋肉のサイズが低下してしまうので注意が必要だ。

 トレーニングは1回の量を増やすよりも、頻度を上げる必要がある。ラットに電気針を使用して3秒10回1セットとして筋収縮させ、5,10,20セットで筋タンパク合成の増加を見た実験がある。結果は筋タンパク質合成の割合は5セットまで著名に増加したが、5セット以降の筋タンパク質合成の増加はあまり見られなかった。この実験結果がどこまで人に当てはまるかはわからないが、1度のトレーニングで10セット行うのではなく、トレーニングを2回に分けて5セットずつ行う方がより効率的だということだ。まとめると、同じトレーニングを行うとして、週2回6セットと週3回4セットを比較した場合、どちらも合計12セットだが、トレーニングの頻度が多い後者の方が、効率が高いのは間違いないかもしれない。

 

もう一つは後編で✊