バイツァ・ダスト

筋トレ、運動、食事、サプリメント

コーチング・クリニックのすすめ(2020年4月号)前編

ども、最近ラーメンを食べた次の日に内臓が痛くなるやーくんです。(もう若くないですね💦)

 

今回も自分が読んでいる『コーチング・クリニック』という雑誌を軽く紹介していきますね。この雑誌は、国家資格を持っている自分から見ても、とても勉強になります。特にスポーツの現場などで活躍してる人などは一度読んでみてください!

 

1⃣競技力向上のためには

オープンスキルを磨くべし

村上貴弘 株式会社バイタルストレングス代表/

     早稲田大学ラグビー部S&Cコーディネータ/HALEO S&Cディレクター

▢カオスな競技特性においては

状況判断が伴う動作が必要

 私は現在、クローズドスキルを磨くためのパターンドリルは、リハビリやケガの予防につながるものの、競技のパフォーマンスを直接向上させるものではないと考えている。

 私はもともとアメリカンフットボールをプレーしていた。そこでは、競技動作をいろいろな動作に細分化して鍛えていくことに重きを置いていた。アジリティーに関しては、決まったパターン内でどれだけ素早く、効率的に動けるかという、いわゆるクローズドスキルを鍛える練習がメインだった。

 しかし実践において、そのように習得したクローズドスキルを、そっくりそのまま再現する機会はほとんどない。ラグビーのような、状況が刻一刻と変化するカオスな競技特性を持つスポーツでは、瞬時の判断力・決断力が伴い、状況に応じて最適な動作を発揮する応用力が求められる。つまり、判断力が伴わない動きをどれだけ速くしたところで、競技力が向上するとは限らない。私が目にした文献では、決まったコースを走る時と、予測できない状況で走る時では、両者の筋活動が全く違った。

アジリティー 【agility】weblio国語辞典より引用

機敏さ。軽快さ。敏捷(びんしよう)さ

 

▢オープンスキルは実戦練習で磨く

 実際の競技力を向上させるためには、オープンスキルを磨く必要がある。オープンスキルを鍛えるには実践的な練習が有効で、フィールドや人数を縮小して、ボールを扱ったスモールサイドゲームなどで、アジリティー能力などを鍛えるのが効果的だ。 

 ただ、オープンスキルトレーニングは万能の練習ではない。クローズドスキルorオープンスキル、どちらか片方の練習を行えばいいのではなく、2つのスキルトレーニングを並行して練習する必要がある。その上で、パターン化した動き(クローズドスキル)が十分身についているのであれば、ゲーム練習などの状況判断を伴う動き(オープンスキル)を習得するための時間を増やすべきだろう。また、切り返しや方向転換に必要な体力・筋力を獲得する為のストレングストレーニングも忘れてはならない。

ファクター [1]【factor】weblio国語辞典より引用

①ある物事や状態が生じるもとになったもの。

 要素。要因。因子。 「事件の-を分析する」

② 〘数〙 因数。

 

・トレーニングの順序と意味

①ストレングストレーニン

切り返し・方向転換・減速などに必要なファクターを体に学ばせる。

ストレングス(Strength)とは、

筋力、パワー、筋持久力のみならずスピード、バランス、コーディネーション等の筋機能が関わるすべての体力要素に不可欠な能力であり、単に力発揮の大きさを表すだけでなく、状況に応じて適切に筋活動をコントロールするための「神経-筋系全体の能力」と定義されます。ストレングス&コンディショニングとはより引用

 

 

②クローズドスキル

動作を1つ1つ習得する。

クローズドスキル

http://mainichikendo.web.fc2.com/ud.htmlより引用

重量挙げや体操など、外的要因に左右されない状況下で発揮される技能のこと。敵がいない状況での技術。

 

③オープンスキル

実践につなげていく。

オープンスキル 

http://mainichikendo.web.fc2.com/ud.htmlより引用

柔道や相撲などで相手が常に変化するような状況下で発揮される技能のこと。敵がいて、変化する状況に対応して良いプレーを選択できる判断力とそれを実行できる技術力。

 

 私は現在、選手を指導する際にはオープンスキルを重視しており、クローズドスキルのトレーニングはウォーミングアップ代わりに行い、ケガ予防の一環だと考えている。また選手によって、スピードに優れているがブレーキが苦手だったり、止まる際の筋力が足りないor止まるための筋力を使えていない場合があるため、その際はクローズドスキルorストレングストレーニングの時期やセッションを設ける場合がある。

 

▢3つのトレーニング配分が

指導者の腕の見せどころ

 練習の最終目標は、ラグビーのパフォーマンスを向上させることで、10mスプリントのタイムor特定のパターンの動きをよくすることではない。意識してほしいのが、オープンスキルがいいのかあるいはクローズドスキルがいいのか、それともストレングスを磨くべきなのかは、対象者やチームによって異なり「これをやっておけばいい」というような正解はないことだ。現場の状況を見極めて、選手、コーチ、トレーナーが話し合って決めるのがいいだろう。

 オープンスキルトレーニングでは、走力・筋力・体力などの数値化できる要素を向上させにくく、筋力トレーニングなどと比べて、練習の成果を具体的に示すことが難しい。ただ、走力・筋力・体力など数値で見える能力を向上させれば、ラグビーのパフォーマンスが必ず高くるともかぎらない。私の経験上、競技力を上げるためには、やはり、オープンスキルトレーニングは必要不可欠なものだと考えている。

 

最後までありがとうございました。

では、またね✊