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コーチング・クリニックのすすめ(2020年2月号)前編

ども、ゴキさんが自宅の中を逃げも隠れもせず、堂々と歩いているのを見て時が止まったやーくんです(しかも弱ってた)。ちゃんと逃がしてあげました!

 

今回も自分が読んでいる『コーチング・クリニック』という雑誌を軽く紹介していきますね。この雑誌は、国家資格を持っている自分から見ても、とても勉強になります。特にスポーツの現場などで活躍してる人などは一度読んでみてください!

 

前月の記事 

 

コーチング・クリニック2月号

【スポーツ外傷・障害・予防&対策ガイド】

1⃣スポーツドクターに聞く、選手をケガから守る方法

著者 松本秀男(公益財団法人日本スポーツ医学財団理事長)

 

▢理想的ではない動作が外傷の一因となる

 スポーツで生じる外傷や障害は競技特性によって偏りがある。サッカーでは膝や足など下肢に多く、野球では肩や肘など上肢に多い。スポーツで特に頻度が高いのは、足関節捻挫と腱坂損傷である。スポーツでのケガは、慢性的に原因があるものなのか、突発的なものかを見極めるのはとても難しい。なぜなら、選手の感覚と体の状態は必ずしも一致しないからだ。

 スポーツでの外傷・障害の頻度が増加or減少しているかのを正確に判断するのは難しい。それは、本当にケガの数が増えているのか、今まで見逃されてきたものが正確に診断できるようになったのか、放置していたものを受診したのかと、単純に比較することが難しいからだ。ただ、競技の動作が複雑になればなるほど、ケガのリスクが高くなっていくのは間違いない。

 同じ競技であっても時代ごとに好発するケガが変わっていくこともある。スキー競技では、以前はブーツが短かいため足に負担がかかりやすく足関節のケガが多かった。しかし、現在はブーツが長くなり足関節が守られ足のケガの数は減ったが、その分膝に負担がかかり膝のケガが多くなった。そのため、ケガを予防するためには選手自身の動作を分析して、どこに負担がかかっているか把握する必要がある。また、競技によっては最適な動作を身に着けるため、『外傷予防プログラム』をホームページで公開しているところもある。

 

▢絶対に避けなければならない成長期のオーバーユース

 成長期の子供には特に障害で注意が必要だ。なぜなら、骨端線に異変が生じ左右差が生まれたり、関節の変形が起きるなど、成長に大きな影響が出るためだ。大人のオーバーユース(使いすぎ)は休養することで回復するが、成長期の子供は取り返しのつかない事態となるため、絶対に避けなくてはならない。

 また、多くの指導者が「競技力の向上」と「障害の予防」の両立に悩まされるが、優先するべきは勝利よりも、子供の成長であることは間違いない。選手一人一人はもちろんのこと、チーム単位でも、子供たちを守る基準が必要である。

 ケガが生じやす時期は傾向があると、統計でわかっている。それは、新入生が部活に入り始める4~5月だ。この時期は、新入生がケガを負う事例が多く報告されている。理由として、環境が新しくなり未経験のスポーツを始める場合が多い。特に他競技の経験がある場合は、これまで使っていなかった筋肉を使う必要があるのに、最初から全力でプレーしてしまい、様々な外傷・障害がおこりやすくなる。

 もしケガがおきてしまった場合は、即座に運動を中止する必要がある。練習中の判断は簡単だが、試合中の判断は難しい。それは、そのまま試合に出してもいいのか、ただちに運動を止めなければいけないのかを、的確に判断するのは専門医でなければ難しいからだ。特に『脳震盪』には注意が必要だ。脳震盪を繰り返すことで、脳に致命的なダメージが残ることもある。少しでも脳震盪の可能性があった場合、すぐにプレーをストップすることが求められる。また、選手自身に判断をゆだねるのもよくない。試合中の選手は興奮しており、プレー続行を望むことが多いからだ。指導者として、試合に負けたくない気持ちから、中心となる選手の交代を迷う時もあるだろう。しかし、選手を交代させられるのは指導者だけだ。選手の未来のため、取り返しのつかない事態を防ぐためにも、選手を守る勇気をもってほしい。

▢障害のサイン

 障害のサインとして多く見られるのが,『使いすぎの部位への痛み』だ。はじめの症状は軽く、運動後に痛みor腫れる程度でプレーにはほとんど影響しない。また、翌日には外見的な変化はほとんど治まっており、前日と同じようにプレーすることが可能だ。しかし、内部では徐々にダメージが蓄積しており、最終的に大きな障害orケガにつながる。

 身長を定期的に検査することも有効だ。身長の伸びが著しい時期は、オーバーユースがおこりやすい状態でもある。そのため、同じ学年でも子供によって成長のスピードが異なるので、身長の伸びの変化を見極めることが必要になってくる。

 

▢スムーズな復帰を促す手術前後の工夫

 スポーツにおけるケガはデメリットが大きく、できる限り避けるのが理想だ。しかし、どれだけ注意を払っていても、完全にケガを防ぐことはできない。そこで私はスポーツドクターとして、『ケガをする前よりもいい状態にして復帰しよう』と声をかけている。また、患部以外の機能低下を防ぐために、手術前に動かせる部位の、柔軟性、筋力、心肺機能、体組成を評価しトレーニングを行う。術後はできる範囲で、患部以外の状態をキープすることを目標とする。

 ここで忘れてならないのが、メンタル面のケアだ。ケガをしたばかりの選手はモチベーションが低下する。そのため、競技で使う道具を病室に置いたり、その選手が活躍したときの映像を見せたりすることがモチベーションを保つことにつながる。チームメイトにお見舞いに来てもらうのも効果的だ。リハビリを行う際は、同じケガをした選手と一緒に行うことで、モチベーション向上につながる。

 

それでは、また👋

後半2⃣パフォーマンスを高めケガを防ぐための、正しいウォーミングアップとクールダウン